アンクルージュを語る上で欠かせないのが、誕生当初の文脈と劇的な進化の軌跡です。2010年、当時ギャル雑誌『Popteen』のカリスマモデルとして絶大な影響力を持っていた「おかりえ」こと松岡里枝氏がディレクターに就任し、Ank Rouge店舗SHIBUYA109を拠点に鮮烈なデビューを飾りました。
初期のコンセプトは、ヴィンテージとレトロロマンティックを融合させた「進化系レトロガーリー」であり、渋谷系ギャルが少し甘口にシフトするための受け皿として機能していました。しかし、2010年代後半から2020年代にかけて、原宿系・秋葉原系のオタク文化と渋谷のユースカルチャーが急速に融合。ブランドはファンのニーズを鋭敏に捉え、現在のアイコンである量産型・地雷系を牽引するデザインへと舵を切りました。
なお、「おかりえ現在」について関心を寄せるオールドファンも少なくありません。松岡里枝氏はブランドプロデューサーとしての任を退いた後も、実業家としてアパレルやビューティー関連のプロデュースを手がけ、洗練された大人のライフスタイルを発信するインフルエンサーとして活躍を続けています。ブランド創設者の歩みと同様、アンクルージュ自身もまた時代の空気を取り込みながら、少女たちのアイデンティティを映す鏡として進化を遂げています。