「朝の出発前、わずか10分しか取れない状況でもプロ級の上品な仕上がりを諦める必要はない」――。そう語るのは、年間数百人ものジュニア世代を担当するキッズヘアスタイリストの面々だ。袴とスーツ、どちらの衣装にも見事にマッチし、なおかつ一日中乱れない最新アレンジの決定版としてプロが挙げるのが「くるりんぱ」と「たまねぎヘア」を掛け合わせた進化系ローポニーである。
崩れを防ぐ最大の裏技は、ベース作りの工程にある。多くの親がやってしまいがちな失敗が、スタイリング剤をつけずに乾いた素髪のまま結んでしまうことだ。まず手のひらに極少量のバームとヘアオイルを伸ばし、髪の内側から毛先全体にしっかり馴染ませる。この下準備だけでアホ毛の飛び出しが劇的に抑えられる。次に後頭部の中央ではなく、やや低めの位置でひとつ結びにしてくるりんぱを作る。ポイントは、結び目を手で押さえながら、トップの毛束を2ミリ単位でミリ単位ずつ指先で引き出すこと。このわずかな凹凸が、写真館のフラッシュや屋外の自然光を受けた際に立体的な陰影を生み出す。
さらに長時間の式典を耐え抜くためのプロのテクニックが、ピン留めの二重固定だ。結び目のゴムを隠すように巻き付けた毛束の内側に、アメリカピンを上から下ではなく「下から上へ」向かって頭皮と平行に差し込む。毛束がゴムにしっかりと噛み合うため、証書授与で深いお辞儀を繰り返しても結び目が一切下がってこない。仕上げに毛先を等間隔でシリコンゴムで結び、丸く引き出すたまねぎシルエットを作れば、360度どこから見ても絵になる上品なスタイルの完成だ。不器用な保護者でも朝の慌ただしい時間内に確実に再現できる。