2008年3月、春季キャンプが終わる直前のタイミングで届いた電撃結婚のニュースは、日米のメディアに大きな衝撃を与えた。当時、ニューヨーク・ヤンキースの主力として活躍していた松井秀喜氏が記者会見の場に持ち込んだのは、自作の似顔絵イラスト一枚。妻となった中山愛美さんの顔写真を公開せず、イラストのみを提示するという前代未聞の会見スタイルは、スポーツジャーナリズムの世界でも語り継がれるエピソードとなった。
二人の出会いは、2006年のオフシーズンに遡る。知人を介した食事会で知り合った二人は、急速に親交を深めた。愛美さんは当時、大手スポーツ用品メーカーに勤務していた元会社員。派手さを好まず、控えめでありながら芯の強い人柄に、松井氏が強く惹かれたと言われている。大物アスリートにありがちな華やかな交際報道とは無縁のまま極秘裏に愛を育み、ゴールインに至った過程は、いかにも真面目な松井氏らしい選択であった。