カタカナ語として広く浸透している「マイメン」ですが、その起源は米国の黒人英語(AAVE:African American Vernacular English)にあります。ストリートで培われた英語の口語表現「my man」がそのまま音写され、日本独自のカルチャーシーンへと輸入されたのが元ネタの真相です。
英語圏における「my man」は、信頼を寄せる男性の仲間に対する「よお、兄弟」「俺の相棒」といった呼びかけ、あるいは第三者に対して「あいつは俺の信頼できる仲間だ」と紹介する際に使われてきました。単なる知り合い(acquaintance)や友達(friend)の領域をはるかに超え、「互いに背中を預け合える関係性」を象徴する言葉です。
日本国内へこの言葉が本格的に持ち込まれたのは、1990年代から2000年代にかけて隆盛を極めた日本語ラップ・ヒップホップ界隈の現場です。当時のアンダーグラウンドなクラブシーンやリリック(歌詞)の中で、MC同士が互いのプロスペクト(敬意)と強い絆を示すキーワードとして多用したことが発火点となりました。
現在ではラップシーンの枠組みを飛び越え、ネットスラングや若者言葉の一角として定着。「損得勘定なしで付き合える無二の親友」「精神的な拠り所となる仲間」を指す最上位の親愛表現として用いられています。