日本映画界を牽引する東宝などの大手配給会社も、このキャスト配置の劇的な変化を強く意識している。従来の大作映画といえば、若手人気俳優を前面に押し出したプロモーションが定石だった。しかし、近年のヒットチャートを振り返ると、物語の骨格を支える実力派俳優の配置がヒットの絶対条件となっている。
良質なヒューマンドラマから緊迫したサスペンスまで、観客が求めているのは表面的な美しさではなく、人間の生々しい感情の葛藤だ。日本映画界全体が、ネームバリューやルックスだけに頼る配役から、真の演技力を重視するキャスティングへと大きく舵を切った証と言えるだろう。