退職金がない会社は違法か?驚きの割合と損を避ける老後対策を徹底検証

退職金がない会社は違法か?驚きの割合と損を避ける老後対策を徹底検証

退職金がない会社は違法か?驚きの割合と損を避ける老後対策を徹底検証の重要なポイントについて、専門知識を基に徹底解説します。

退職金制度をめぐっては、ネットやSNS上で流布している情報の中に危険な誤解が紛れ込んでいます。正確な知識を持たずに企業の言葉を鵜呑みにすると、致命的な計算違いを引き起こします。

誤解1:「退職金共済に入っていれば大企業並みに安心」の落とし穴

中小企業が退職金制度を設ける際、国の支援を受けた退職金共済制度の仕組み(中退共:中小企業退職金共済など)を利用するケースが多々あります。掛金を事業主が国に納入し、退職時に国の共済機構から直接退職金が支払われるため、会社の倒産リスクから保全される安全な制度です。

しかし注意すべきは「掛金の額」です。中退共の掛金月額は数千円から最大3万円程度まで選択可能ですが、中小企業の多くはコスト負担を嫌い、月額5,000円〜1万円程度の最低水準に設定している場合があります。月1万円の掛金で30年間積み立てても元本は360万円に過ぎず、大企業の退職金相場とは比較にならない額面で終わります。「退職金制度あり」と書かれていても、共済の掛金設定次第ではスズメの涙にしかならない現実を直視しなければなりません。

誤解2:「企業型DCがあるから退職一時金は不要」の盲点

従来の退職金を廃止し、確定拠出年金企業型DCへ一本化する企業が急増しています。企業型DCは企業が毎月掛金を拠出し、社員自身が運用商品を選んで老後資金を形成する仕組みです。退職所得控除の対象となるため税制メリットは極めて高い制度です。

しかし、これも掛金の多寡が全てを左右します。法令上の拠出限度額は他制度併用なしで月額5万5,000円ですが、実態として月額3,000円〜1万円程度の拠出しか行わない企業が散見されます。さらに、運用利回りがマイナスになった場合のリスクはすべて従業員が個人で負うことになります。「企業型DCがあるから将来安泰」と過信せず、自社が拠出している月額金額が退職金相場に見合う水準に達しているかを冷徹に精査する必要があります。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。