活動休止中の嵐を取り巻く環境において、最大のターニングポイントとなったのが2024年4月10日に発表された「株式会社嵐」の設立です。この会社設立の背景と、現在のグループの足場について客観的事実を整理します。
設立の発表時、5人は連名で「未来を描くための準備」と明言しました。旧来のマネジメント体制からSTARTO ENTERTAINMENTへの移行期において、タレントが受動的な存在のままではグループの権利管理や今後の活動計画が停滞する恐れがありました。そこで、メンバー5人が共同出資者となり、エンタメ法務に精通した弁護士・四宮隆史氏を代表取締役に招聘。これにより、「嵐という屋号と版権を自らの意志でコントロールし、グループ活動に関する決定権を5人の手に取り戻す」という法的一手を打ったのです。二宮や松本が個人マネジメントを独立させても嵐の活動から離脱しないのは、この強固な受け皿が機能しているからにほかなりません。
この動きは、ファンの熱量を示す決定的な指標であるファンクラブ(FC)会員数の推移にも直接的な影響を与えました。休止直前の2020年末に約300万人という空前絶後の規模に達した会員数は、活動休止に伴い緩やかな減少が予想されていました。しかし、2026年現在においても会員数は依然として公称280万〜300万人規模を維持していると推計されています。年会費を支払い続けるファンにとって、会員証は「嵐との絆を繋ぎ止めるパスポート」であり、株式会社嵐の設立メッセージがその更新動向を強力に後押ししました。
気になる「再結成・復活の真相」について、音楽業界関係者の見方は極めて現実的です。無期限の完全復活や全国ツアーの即時敢行は、生活基盤が確立している大野智の心理的負担を考慮するとハードルが高いと見られています。一方で、グループ結成や周年を記念した「一夜限りのスペシャルライブ」や「アニバーサリー配信イベント」といった限定的・段階的リユニオンは、株式会社嵐の設立によっていつでも法的・運営的にゴーサインを出せる体制が完了しています。復活の鍵は外部の事情ではなく、ただひとつ、「大野が再びステージに立つ心の準備が整う瞬間」に委ねられています。