2026年、多くの企業が完全リモートワークから週4日出社へと舵を切った。この「リアル回帰」の波が、労働者たちの精神を静かに蝕んでいる。朝、どうしてもベッドから起き上がれない。そんな時、スマートフォンの検索窓に打ち込まれるのがあの言葉だ。仮病の免罪符として「客観的な数字」である37.5度以上の熱を欲する心理。それは、現代人が抱える過度なストレスと、休むことへの罪悪感の裏返しに他ならない。
産業医のカウンセリング現場では、こうした「熱を出してでも休みたい」という切実な相談が増加している。精神的な限界を迎えているにもかかわらず、肉体的な病気でなければ休むことが許されないという日本の労働文化が、今なお根強く残っている証拠と言えるだろう。