加藤清史郎が初代こども店長としてトヨタ自動車のCMに初登場したのは2009年、彼がまだ7歳のときでした。赤いブレザーに身を包み、「エコカー減税!」と元気いっぱいに叫ぶ姿は、不況に喘いでいた日本社会に明るい旋風を巻き起こしました。同年のNHK大河ドラマ『天地人』における直江兼続の幼少期(樋口与六)役で発した「わしはこんなとこ来とうはなかった!」という名台詞とともに、彼は名実ともに国民的スターへと上り詰めました。
「こども店長」の社会的影響力は凄まじく、2009年の「新語・流行語大賞」でトップテンに選出されたほか、企画シングル『かつおぶしだよ人生は』で音楽シーンにも進出。年末のNHK紅白歌合戦の企画コーナーに出場を果たすなど、日本中どこへ行っても彼の顔を見ない日はないほどの社会現象となりました。トヨタの歴代CMの中でも、企業イメージの刷新とエコカー普及の認知獲得において、彼が果たした貢献度は計り知れません。
しかし、子役としての成功は諸刃の剣でもあります。多くの元子役が直面する「あの人は今」という好奇の視線や、幼少期のイメージ固定化による仕事の激減というリスクを、彼もまた無自覚のうちに背負うこととなりました。その重圧を真正面から受け止め、自らの足で新たなキャリアを切り拓いたプロセスにこそ、表現者・加藤清史郎の真価が宿っています。