「お疲れ様です。大変お世話になっております。〇〇の件、承知いたしました。取り急ぎご報告まで。」——社内チャットツールで、こうした定型文を打つ時間にどれほどの生産性が奪われているだろうか。東京・六本木に本社を置くWebマーケティング会社でチームリードを務める男性(32)は、苦笑いを浮かべながら語る。「チャットの1行目に長い挨拶文や過剰な謙譲語が入ると、通知のプレビュー画面で要件が見えない。チーム内では『了解しました』どころかリアクションスタンプ1つで済ませるルールに変えました」。
このような「過剰敬語疲れ」は、現場の若手社員だけでなく管理職層にも広がっている。2025年後半から急速に普及した社内タスク自動化ツールやAIワークスペースにより、業務の意思決定速度は従来の数倍に跳ね上がった。そのスピード感の中で、丁寧すぎる敬語の推敲に数分を費やす行為は、もはや「丁寧さ」ではなく「タイムロス」とみなされ始めているのだ。