多くの患者が整形外科の門を叩く直接の引き金となるのが、「階段の昇り降りで膝が痛む理由」です。階段を上がるときは太もも前の大腿四頭筋が収縮してお皿周辺に強い圧力がかかるのに対し、階段を下りるときは重力加速度が加わり、体重の3〜5倍もの衝撃が膝の内側関節面と半月板へダイレクトに突き抜けます。「上りより下りの方が格段に痛い」という自覚症状がある場合、関節軟骨の摩耗や半月板の後角断裂がすでに進行している可能性が極めて濃厚です。
診察前に状態を把握するための半月板損傷のセルフチェック法として、以下の項目を客観的に確認してください。
- キャッチング・ロッキング感:歩行中や立ち上がり時に、膝の中で何かが挟まったように動かなくなる(ロックされる)瞬間があるか。
- 荷重屈曲テスト:椅子に座り、つま先を内側または外側に向けた状態でゆっくり体重をかけながら立ち上がった際、関節の裂隙部に鋭利な痛みが走るか。
- 関節水腫のセルフ確認(膝蓋跳動):膝を伸ばした状態で、お皿のすぐ上の皮膚を下方へ絞るように軽く押さえ、もう片方の指でお皿を骨に向かってトンと押した際、お皿が浮いて骨にコツコツと当たる感触(プカプカ浮いている感覚)があるか。
これらの項目に1つでも該当する場合、単なる筋肉痛や疲労ではありません。無理に動かし続けると、断裂した半月板の破片が関節内に挟まり、健常な軟骨を急速に削り取ってしまう二次被害を招きます。