実際に現場を経験したスタッフの生の声に耳を傾けると、退職を決断する動機や日々の葛藤には共通するパターンが浮かび上がってきます。大手就職口コミサイトやSNSコミュニティに寄せられた無印良品の店舗スタッフの口コミを分析すると、辞めたい理由として挙げられるのは主に以下の3点に集約されます。
第一に挙げられるのが、「覚えることのキャパシティオーバー」です。研修期間中だけでなく、現場配属後もインカム(無線機)から飛び交う専門用語や商品位置の指示に対応できず、自己嫌悪に陥る新人が後を絶ちません。手記や口コミの中には、「入社して1ヶ月間は専門用語と作業手順を覚えるための自主学習が必要で、まるで資格試験の勉強をしているようだった」と語る元アルバイトの証言も目立ちます。
第二の理由は、「人間関係と店舗ごとの空気感の差異」です。無印良品はチームワークを重視する組織風土を持つ反面、主婦層を中心とする「パートナー社員」と呼ばれるベテラン長期スタッフが売り場を取り仕切っているケースが多々あります。良品計画の採用方針として人柄重視で温厚なスタッフが多い傾向にはあるものの、繁忙期に質問しづらい空気や、マニュアル遵守を巡る指導の厳しさに馴染めず、孤立感を深めてフェードアウトしてしまうケースが散見されます。
第三の理由は、「業務量に対する時給の納得感」です。地域ごとの最低賃金改定に伴い基本給は上昇傾向にあるものの、「覚えることと求められる責任の重さに対して、一般的なコンビニや飲食店の時給と大差がない」と感じ、よりルーティンワークで完結する他業種へ流出していくケースが後を絶ちません。