発症初期で痛みが軽度な場合、ドラッグストアで購入可能な外用薬でのセルフケアを検討する読者も多いでしょう。しかし、配合成分の作用機序を正確に把握せずに使用すると、症状の好転はおろか悪化を招くケースがあります。市販薬および代表的処方薬の特性を客観的に比較したデータが以下になります。
ネット上の口コミ等で頻繁に見受けられる「オロナインを鼻の中に塗れば一晩で治る」という言説には重大な注意が必要です。製品添付文書を確認すると、目や粘膜への使用は禁忌または非推奨となっています。鼻の穴の極めて手前(皮膚組織)であれば微量の塗布で殺菌効果を期待できる場面もありますが、奥の湿潤した粘膜組織に塗布すると刺激感や接触皮膚炎を招く恐れがあります。また、すでに黄白色の膿汁を溜めた毛嚢炎に対しては、殺菌消毒薬単体では細菌の増殖を抑えきれません。
抗生剤配合の軟膏(ドルマイシンやテラマイシン)を選択する場合の正しい塗り方の手順は以下の通りです。
- まず石鹸で入念に手を洗い、流水で洗い流す。
- 直接指で軟膏を取らず、清潔な医療用綿棒の先端に小豆大以下のごく少量を乗せる。
- 患部が見えるよう手鏡と照明を確保し、鼻前庭の病変部に「擦り込まずに優しく置く」ように塗布する。
- 薬剤が鼻腔の深部へ吸い込まれないよう、塗布直後に激しく鼻をすする行為は控える。
なお、市販軟膏の使用は3日間を限度とし、痛みが悪化する場合や改善の兆候が見られない場合は、直ちに使用を中止して専門医の診察を受ける必要があります。