普段、料理をする際にピーラーで人参の皮を厚く削ぎ落としていませんか。実は植物学上、私たちがスーパーで購入する一般的な人参には「本来の表皮」がほとんど残っていません。収穫後の洗浄・選別工程の水流やブラッシングによって、極めて薄い表皮層はすでに擦り落とされている状態です。
つまり、普段ピーラーで削り取っている部分は皮ではなく、最も栄養が凝縮された「内果皮・形成層」の可食部そのものです。分析データによると、中心部よりも表面から数ミリの外層部の方が、βカロテンの濃度が約1.5倍から2倍以上高く、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸などの抗酸化成分も集中しています。
泥や汚れをタワシやスポンジで軽く水洗いするだけで、皮を剥かずにそのまま調理するのが栄養学的に最も賢明な手法です。皮ごと乱切りにしてカレーやシチューに入れたり、細切りにして「きんぴら人参」や「キャロットラペ」に仕立てたりすることで、食材の廃棄ロスを防ぎつつ最大限の栄養を丸ごと摂取できます。