ネット上の一部掲示板やレビューには、「ひもかわうどんは食べにくい」「すすると汁が飛び散る」「小麦粉の塊を食べているようだ」といった否定的な意見が見受けられます。しかし、これらの不満の多くは「食べ方の作法」と「温・冷の選び方のミスマッチ」に起因しています。
取材を通じて浮き彫りになった、よくある誤解と正しいアプローチを解説します。
誤解1:「通常のうどんのように一気にすするべき」という錯覚
通常の細麺と同じ感覚で勢いよくすすり上げようとすると、幅広麺が唇を塞ぎ、汁が広範囲に飛散します。地元の通が実践する正しい所作は、「箸で麺の端を優しく持ち上げ、折り畳むようにして一口サイズにしてから口に含む」ことです。シルクのように薄い麺は、口内に滑り込ませた瞬間にほどけ、舌全体で小麦の甘みと出汁の塩味を同時に知覚することができます。決してすすり上げる必要はありません。
誤解2:「温かい麺」から入るとコシを感じにくい
ひもかわうどんの真骨頂である「極限の薄さ」は、熱い汁に長時間浸されると時間経過とともに柔らかくなり、テクスチャーが変化します。これを「コシがない」と誤認してしまうケースがあります。
麺の持つ圧倒的なコシ、滑らかなエッジの感触を堪能したい初訪問者には、迷わず「冷たいもり(せいろ)」をおすすめします。氷水で締められた麺は別次元の引き締まりを見せ、噛み締めた際の心地よい弾力をダイレクトに体感できます。2回目以降、あるいは肌寒い季節に、熱々のカレーや煮込みでトロリと柔らかな変化を楽しむのが通の流儀です。