略奪愛の真相が白日の下に晒された決定打となったのが、2002年に出版された山下久美子の自伝的エッセイ『ある愛の詩』(幻冬舎)です。本書では、かつて信頼していた後輩歌手と愛する夫が自らの手の届かない場所へと離れていく様子が、痛切な筆致で克明に描写されました。
手記の中で特に読者に衝撃を与えたのが、関係が破綻に向かう過程で起きた生々しいエピソードの数々です。深夜に自宅へかかってくる無言電話、今井美樹が山下の自宅を訪れて「彼(布袋)を奪うつもりはない」と涙ながらに語りながらも関係を継続していたこと、そして「今、彼は私の部屋にいます」と告げられた瞬間など、当時の壮絶な心理戦が赤裸々に明かされています。
当時のインタビューや特番において、山下久美子は「信じていた二人に同時に裏切られた喪失感は筆舌に尽くしがたい」という趣旨の吐露を残しています。清純派のトップ女優・シンガーとして圧倒的人気を誇っていた今井美樹のパブリックイメージは、この手記の発表によって決定的な打撃を受けることとなりました。