社会心理学および組織マネジメントの観点から森保ジャパンを分析すると、日本型スポーツ組織が長年抱えてきた「年功序列型ヒエラルキー」からの完全な脱却が見て取れます。かつての代表チームで見られた上下関係や過度な精神論を排し、若手からベテランまでが対等に戦術的意見をぶつけ合える「心理的安全性(Psychological Safety)」がロッカーフール内で確立されています。
遠藤航キャプテンを中心とするリーダーシップグループは、各選手に明確な役割(タスク)を提示しつつ、個々のクリエイティビティを尊重する「自律分散型チームモデル」を構築しました。この健全な境界線(バウンダリー)の維持こそが、メンバーの入れ替えや怪我人の発生にも動じない強靭な組織力の源泉となっています。企業組織やあらゆる集団において、個の専門性を引き出しながら共通の目標へ向かわせる極めて高度なマネジメントの実践例といえます。