地盤沈下の原因は、自然要因と人為的要因の2つに大別されます。自然要因としては泥炭層や粘土層といった軟弱地盤の自然圧密が挙げられますが、歴史的に甚大な被害をもたらしてきたのは人為的な要因です。
高度経済成長期、工業用水や農業用水、天然ガスの採取を目的とした地下水の過剰採取が全国各地で相次ぎました。地下水を大量に汲み上げると帯水層の圧力が低下し、粘土層から水分が抜けて体積が激減します。その結果、東京の下町ゼロメートル地帯や新潟平野をはじめとする広範囲で激しい地盤沈下が発生しました。
こうした事態を重く見た国は、1967年に制定された公害対策基本法(現・環境基本法)や工業用水法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律などを通じて、地下水の揚水規制を強化しました。法規制によって広域沈下は沈静化の傾向を見せたものの、現在でも局所的な地下水利用や周辺のトンネル工事、盛土の締め固め不足に起因する沈下リスクは根強く残っています。