これまで重厚な心理を描いたサスペンス作品で圧倒的な評価を確立してきた佐藤良平だが、今作ではフィジカルと演技力の両面で限界に挑んでいる。緻密に計算されたセリフ回しと静かな狂気を表現してきた彼が、激しいワイヤーアクションや特殊な装備を身にまとい、全く新しいキャラクター像を立ち上げた。
作品の屋台骨を支える主演俳優として、彼は過酷な肉体改造と数ヶ月に及ぶ事前トレーニングを遂行。現場のスタッフによれば、CGに頼りすぎない生身のリアリティを追求する監督の指導に対し、吹替えをほとんど使わずに危険なカットを自ら演じきったという。静謐な演技派という従来のパブリックイメージを鮮やかに裏切る、壮絶なパフォーマンスは圧巻の一言だ。