不動産広告を見ていると、「2LDK+S」や「3LDK+N」といった間取り表記を頻繁に見かけます。この「S(サービスルーム)」や「N(納戸)」こそが、実質的に窓がない、あるいは窓があっても光が足りない部屋の正体です。一般の消費者が最も混同しやすいサービスルームと納戸の違いですが、結論から言えば不動産広告表示規約および建築基準法上は全く同じ扱いとなります。どちらも「居室の基準を満たしていない非居室」の別称に過ぎず、洋風の響きを持たせるために「サービスルーム」、和風や収納重視の物件では「納戸」と使い分けられているだけです。
ここで重要となるのが、設計の現場で厳密に計算される採光有効面積の計算方法です。単に「窓のガラス部分の面積」を測ればよいわけではありません。隣地境界線までの水平距離や、窓の設置高さから算出される「採光補正係数(D/H×A - B)」を実際の開口部面積に乗じる必要があります。
たとえば、都心の密集地で隣のビルとの距離がわずか50cmしかない場所にある窓は、補正係数がゼロ(あるいはマイナス)となり、どれだけ巨大なサッシを取り付けても「有効採光面積は0平方メートル」と判定されます。これが、窓が付いているにもかかわらず「間取り図上は納戸(サービスルーム)扱い」となる物件が生まれる構造的な理由です。