2人の出会いは、乙武氏の母校である早稲田大学政治経済学部時代に遡ります。仁美さんは同大学の後輩にあたり、サークル活動などを通じて親交を深めました。自立心の強い仁美さんに対し、乙武氏は強い敬意を抱き、卒業後の2001年3月に2人は婚姻届を提出しました。
結婚当時、乙武氏は『五体不満足』のヒットにより国民的知名度を誇っていましたが、家庭内での生活は決して華やかなものばかりではありませんでした。電動車椅子の操作や日常的な移動、排泄・入浴の補助など、日常のあらゆる局面で手助けが必要となる現実がありました。仁美さんは妻であると同時に、実質的な「第一介助者(ケアラー)」としての重責を長年にわたり一人で背負い込むことになります。
その後、2008年に長男、2010年に次男、2015年に長女が誕生。家族が増えるにつれ、仁美さんの負担は「3人の乳幼児の育児」と「夫の身体介護」という極めて過酷なダブルケア状態へと突入していきました。