制服の形式を巡る議論において、永遠のテーマともいえる「セーラー服か、ブレザーか」という対立軸。2026年時点の全国的な採用比率は、ブレザータイプが約78%、セーラー服タイプが約14%、残りがボレロやスーツ型となっており、実用性と気候対応力に優れるブレザーが圧倒的多数を占めています。
しかし、人気の熱量という観点では単純な勝敗はつけられません。セーラー服は採用校が減少したことで希少価値が跳ね上がり、「あの伝統の白襟セーラーを着たいから受験する」という強い目的意識を生む強力なブランドアイコンとして機能しています。特に名門女子校におけるセーラー服は、卒業生にとっても一生の誇りとして語り継がれる強固なアイデンティティです。
一方、ブレザー市場を塗り替えているのが「デザイナーズ制服」と「セレクトショップコラボ」の存在です。株式会社カンコー学生服が展開する「BEAMS SCHOOL product by kanko」をはじめ、「ELLE ECOLE」「OLIVE des OLIVE School」「MICHEL KLEIN Scolaire」など、ティーンに親和性の高いブランドや世界的オートクチュールデザイナーが手掛けるモデルが急拡大しています。
さらに2026年現在の決定的トレンドとして見逃せないのが、女子生徒向けスラックスの普及とデザイン性の劇的な進化です。文部科学省による性別違和や防寒・防犯対策への配慮要請を受け、全国高校のスラックス導入率は85%を突破しました。導入初期に見られた「男子用スラックスの型紙を流用した野暮ったいシルエット」は一掃され、現在は「ハイウエストで脚長効果のあるテーパード」「ストレッチ素材で自転車通学も快適なスキニー調」など、女性の骨格に最適化された美脚スラックスが続々と登場しています。「普段はスラックス、式典はスカート」というように、その日の気分や気温で主体的にスタイルを選択する生徒が日常の風景となっています。