一口に豚肉や牛肉と言っても、ロースとヒレでは味わいと食感が対極に位置する。ロースは背中側の部位であり、適度な赤身に加えて脂身の層がしっかりと厚い。口に含んだ瞬間、熱で溶け出した脂質の甘みと芳醇な香りが広がるのが最大の魅力だ。対照的に、ヒレは肋骨の内側に沿って伸びる運動量の極めて少ない腰内側の希少部位である。
脂質が圧倒的に少なく、絹のようにキメが細かいのがヒレの持ち味。ナイフがスッと通るほどの柔らかさを誇り、重たさを感じさせないさっぱりとした後味が特徴だ。カロリー面でも明確な差があり、脂身を含むロースはヒレに比べて約1.5倍から2倍近くエネルギーが高くなる。ガッツリとした満足感を求めるならロース、ヘルシーにタンパク質を補給したいならヒレという使い分けが基本となる。