実際に現地で生活する留学生や短期滞在の旅行者が直面する差別には、いくつかの明確なパターンが存在します。現地の生の声を集約すると、被害は主に3つの形態に分類されます。
- 街頭・公共交通機関でのからかい:地下鉄内や広場で、少年グループからアジア系のアクセントを真似た言葉で嘲笑される、背後から笑い声を浴びせられるなどのハラスメント。
- 店舗やレストランでの接客差別:白人客には愛想よく挨拶する店員が、アジア人客に対しては無言でメニューを放り投げる、注文を意図的に後回しにする、テラス席の利用を断られるなどの冷遇。
- 家探しや公的手続きでの門前払い:留学生が直面しやすい問題として、賃貸物件の内覧をアジア系という理由だけで断られたり、役所の窓口で極めて高圧的な対応を受けたりする事例。
特に多くの旅行者が精神的なダメージを受けるのが、明確な暴言ではなく「視線や態度の冷たさ(マイクロアグレッション)」です。欧米圏特有の挨拶文化が浸透しているイタリアでは、店に入る際に「ブオンジョルノ(こんにちは)」と声をかけるのが礼儀ですが、アジア人が入店した瞬間に店内の空気が凍りついたり、挨拶を完全に無視されたりする経験を語る滞在者は少なくありません。