作品全体のトーンを決定づけ、読者に深いトラウマを刻み込んだのが仏像編だ。特に千手観音の圧倒的な攻撃力と惨劇は、サバイバルホラーとしての牙を遺憾なく剥いた。手に持った刀剣や酸の散布、即死級の光線攻撃。ガンツスーツの防御力すら無力化する猛攻の前に、熟練の参加者たちが次々と命を落としていった。
この極限状態において、千手観音の攻略法を見出す鍵となったのが、距離の維持と光学兵器の連携、そしてスーツの限界を超えた極限の集中力だ。玄野計は仲間を失う絶望の中で覚醒し、個人の生き残りをかけた戦いから、指揮官としての覚醒を果たす。この戦闘は、単なるバトルの枠を超えた人間ドラマのクライマックスでもあった。