日本のアニメ史に燦然と輝く金字塔、『それいけ!アンパンマン』の記念すべきアンパンマン放送開始日は1988年10月3日です。昭和から平成へと移り変わる直前の秋、日本テレビ系列の月曜夕方5時枠でひっそりとスタートを切りました。
記念すべきそれいけアンパンマン第1話のタイトルは「アンパンマン誕生」。ジャムおじさんが心を込めて焼いていたパンの窯に、夜空から流れ星が飛び込み、言葉を話す不思議な赤ん坊「アンパンマン」が誕生するという、今なお語り継がれる伝説のオープニングでした。この第1話には、宿敵であるばいきんまんもすでに登場しており、バイキン星から卵の姿で地球へ飛来する様子が描かれています。
本作のバックボーンにあるのは、漫画家・詩人であるやなせたかし原作の絵本シリーズです。1919年生まれのやなせ氏は、第二次世界大戦での過酷な従軍体験を経て、「正義の味方なら、まず飢えている人を助けるべきだ」という強い信念を抱きました。自らの顔をちぎって飢えた者に与え、力が出なくなってしまうという、これまでの特撮ヒーローにはなかった「傷つくことを恐れない献身」こそが、四半世紀を超えて愛される作品哲学の原点となっています。