伊勢海老の採取に関しては、日本全国の沿岸域で極めて厳格な法規制が敷かれています。2020年(令和2年)12月に施行された改正漁業法以降、資源保護と密漁対策の強化は年々進んでおり、知らなかったでは済まされない重大な罰則が科されます。
まず理解しなければならないのは、伊勢海老が沿岸の「第一種共同漁業権」の対象魚種に設定されているケースが極めて多いという事実です。さらに、漁業法第132条に基づく「特定水産動植物」(アワビ、ナマコ等)に準じる重要資源として、密漁行為に対する取り締まりが海上保安庁や水産庁、警察によって厳重に行われています。漁業権を侵害した場合や、無許可での採取と判断された場合、3年以下の懲役又は3,000万円以下の罰金という重刑が科される可能性があります。
また、採捕方法(漁具)の制限も見逃せません。遊漁者が使用できる道具は都道府県漁業調整規則によって厳密に定められており、タコツボ・カゴ網仕掛けの設置は遊漁者に対して全面的に禁止されています。「竿とリールによる釣り針での採捕」のみが遊漁として認められている地域であっても、漁業権が設定されている区域内では竿釣りであっても伊勢海老の持ち帰りが一切禁止されている自治体が大半です。
さらに、各地域には伊勢海老解禁時期・シーズン(禁漁期間)が設定されており、一般的に産卵期にあたる5月〜9月前後は全国的に全面禁漁となります。サイズ規制(頭胸甲長が一定基準以下の個体の再放流義務)も存在するため、釣行前には必ず当該海域を管轄する都道府県水産課の公式告示を確認する義務があります。