メジャーレーベルであるソニー・ミュージックエンタテインメントとのタッグにより、ALIの快進撃は盤石のものになるかに見えた。しかし、キャリアが最高潮に達しようとしていた矢先、バンドは突如として活動休止という過酷な運命に直面する。予定されていたタイアップの白紙化、メディアからの厳しい視線。普通なら心が折れて散り散りになってもおかしくない逆境だった。
それでも今村はマイクを手放さなかった。スタジオに籠もり、自らの弱さと向き合い、泥水をすするような思いでペンを走らせ続けた。音楽業界の厳しさを誰よりも痛感しながら、彼はバンドメンバーとともに再びステージに立つ日を信じて牙を研ぎ澄ましていた。この暗闇の期間が、彼の歌声に以前にも増して凄まじい説得力と深みを与えたことは間違いない。