かつて万座毛は、駐車場から誰でも自由に無料で立ち入れる吹きさらしの観光地でした。しかし、2020年10月に地上3階建ての複合施設「万座毛周辺活性化施設」がオープンしたことを契機に、岬の遊歩道エリアへの入場には1人あたり100円の観覧料(小学生以上)が必要となる仕組みへと移行しました。
長年無料だった景勝地の有料化には、単なる収益確保にとどまらない深刻な背景がありました。恩納村が公表している整備方針や現地運営の趣旨をまとめると、主な理由は以下の3点に集約されます。
- 貴重な自然環境と固有植物群落の保護:万座毛の石灰岩植物群落は沖縄県の天然記念物であり、長年における観光客の踏み込みによる植生破壊が懸念されていた。
- オーバーツーリズムの緩和と安全管理:かつては断崖絶壁のギリギリまで人が侵入し、滑落事故の危険や景観の劣化が叫ばれていたため、管理ゲートを設けて秩序ある誘導を図った。
- 受入インフラの近代化:老朽化していた旧来の売店やトイレを刷新し、冷暖房完備の休憩スペース、お土産売り場、飲食エリア、天候に左右されない展望デッキを完備した。
1人100円という料金設定は、景勝地の保全維持費を訪れる利用者が公平に分担する「受益者負担」の考え方に基づいています。ワンコインで美しい遊歩道が維持され、安全に散策できるようになった現在の整備状況は、多くの旅行者から好意的に受け止められています。