ルシファーの堕天の真相に迫る前に、まず理解しておくべきはその「圧倒的な出自」です。ラテン語の「Lucifer(光を運ぶ者、光をもたらす者)」を語源とするこの名は、夜明け前に東の空でひときわ強い輝きを放つ金星、すなわち「明けの明星」を指す言葉でした。
神学的な天使の階級(九階級)において、ルシファーは最上位に位置する「熾天使(セラフィム)」の筆頭格であったとされます。神の玉座に最も近い場所で神の愛を直接浴び、六枚あるいは十二枚の光り輝く翼を持っていたと伝えられています。
神が創造したすべての被造物の中で最も完璧な美貌と知恵を備えており、その容姿は宝石を散りばめたように煌びやかで、他のいかなる天使も寄せ付けない神々しさを誇っていました。まさに「神の最高傑作」と呼ぶにふさわしい存在だったのです。