エーデルワイスの代名詞とも言えるクリームパイは、仕込みから焼き上げまで幾重もの手作業を経て完成する。生地の層がみっちりと重なり合い、口に含むと驚くほど軽やかな食感を落とすパイ部分。そして、絶妙な火加減で練り上げられた自家製カスタードクリームが、口の中で解けるように広がる。甘さは控えめでありながら濃密なコクが残り、後味は驚くほど爽やかだ。
長年通い詰める地元市民に話を聞くと、「子どもの頃から誕生日やお祝い事といえば、このパイだった。大人になった今でも、特別な日に食べたくなる」と笑みを浮かべる。単なる甘味という枠を超え、街の記憶や人々の思い出と深く結びついている点が、この逸品の持つ何よりの強みと言える。