かつてゴールデンタイムを彩った王道の恋愛ドラマが苦戦を強いられる一方で、なぜこれほどまでに台本のないリアリティが人々を魅了するのか。その答えは、予測不可能な「生の感情」にある。完璧に計算された脚本や演出家が描く美しいセリフでは到達できない、迷い、躊躇、そして土壇場での前言撤回。
事実は小説より奇なり、という古くからの言葉通り、カメラの前で曝け出される人間の素顔には、どんな大作ドラマも及ばない凄みがある。計算されたシナリオを消費する時代から、他者のリアルな葛藤を追体験する時代へ。視聴体験のパラダイムシフトが確実に起きている。