ネット上の言論やSNSでは、公示日と解散をめぐる誤認が頻繁に散見されます。典型的な誤解の真相を検証します。
第一に、「首相が解散を宣言したその日から選挙運動ができる」という誤認です。憲法第54条の規定に基づき、衆議院解散から総選挙までは「40日以内」に行われなければならず、公示日は少なくとも「選挙期日の12日前」に行う必要があります。閣議決定を経て正式な解散総選挙の経緯をたどり、公示日の届出を完了するまでは、候補者が「私に1票をお願いします」と公言することは事前運動違反(公選法第129条)にあたります。
第二に、「公示日当日から期日前投票ができる」という勘違いです。前述の通り、選管の実務上、候補者データの確定、投票用紙の印刷・仕分け、各投票所へのシステム配備が必要となるため、期日前投票の開始日は例外なく「公示日の翌日」から設定されています。公示日当日に役所を訪れても投票は行えません。
第三に、投開票日までの日程におけるネット発信の制限です。一般有権者であっても、投開票日の当日は「選挙運動」を行うことが一切できません。公示日から前日23時59分まではSNSで特定候補の支持を呼びかけることができますが、投票日当日に「〇〇候補に投票してきたよ、みんなも投票しよう」と特定候補名を挙げて投稿する行為は、公選法違反に問われるリスクがあります。