南米を語る上で欠かせない二大巨頭が、ポルトガル語圏のブラジルとスペイン語圏のアルゼンチンです。政治、経済、そして文化のあらゆる面で南米を牽引しています。
ブラジルの首都といえばリオデジャネイロやサンパウロを想起しがちですが、正解は内陸部に建設された計画都市ブラジリアです。1960年に沿岸偏重の開発を是正するために内陸の高原地帯に建設され、飛行機の形をした都市計画とオスカー・ニーマイヤーの近未来的建築群により、建設からわずか27年後の1987年に世界遺産に登録されました。経済の中心地サンパウロ、文化観光の象徴リオデジャネイロ、行政の中枢ブラジリアという明確な役割分担が成立しています。
一方、隣国アルゼンチンは激動の経済改革の渦中にあります。長年苦しんできた高インフレ体質に対し、現政権による徹底的な財政緊縮と通貨安定策が断行され、為替市場や物価動向は大きな転換点を迎えています。現地では公式レートと並行レートの格差縮小が進むなど構造変化が起きており、旅行者や投資家にとっても現地通貨ペソと米ドルの力関係の把握が極めて重要です。
この両国を強く結びつけ、同時に最大のライバル関係に押し上げているのがサッカー文化です。ワールドカップ優勝最多5回を誇るブラジル代表(セレソン)と、3度の優勝を誇るアルゼンチン代表(アルビセレステ)の対戦「スーペルクラシコ」は、単なるスポーツの枠を超え、国家の威信と歴史的プライドが衝突する熱狂を生み出します。社会の格差や経済的困難を吹き飛ばすエネルギーの源泉として、サッカーは南米社会の精神的支柱であり続けています。