順風満帆に見えたアナウンサー人生の中で、なぜ岩本乃蒼アナは一度マイクを置く決断を下したのでしょうか。その原点は、兵庫県神戸市出身である彼女が3歳のときに経験した阪神・淡路大震災にあります。幼少期に目の当たりにした被災地の記憶は、彼女の人生観に決定的な影響を与え続けていました。
さらに決定打となったのは、日テレ入社後に数々の被災地取材を重ねる中で抱いた「命を守る情報を、メディアはどう伝えるべきか」という強い葛藤でした。災害報道の現場で言葉を発するたび、「既存の定型的なアナウンスだけでは、人々の具体的な避難行動に結びつかないのではないか」という問題意識に直面。その答えを導き出すため、気象災害や地震発生時における情報伝達のあり方を根本から再構築する「防災・減災コミュニケーション研究」に挑むべく、慶應大学院への進学を決意したという経緯があります。