名古屋の朝を語るうえで、独自のモーニングサービスを抜きにすることはできない。ドリンク代のみで厚切りバタートーストや茹で卵が添えられる気前の良さは、この街に深く根づいたおもてなしの美学だ。昭和の空気を色濃く残す純喫茶では、今なお新聞を広げる常連客とマスターの軽妙な掛け合いが繰り広げられている。
近年では、この伝統的なスタイルをモダンに再解釈した進化系「名古屋めし」カフェも台頭してきた。自家製小倉あんに高級発酵バターをたっぷり乗せた贅沢なトーストや、八丁味噌を隠し味に使ったモーニングサンドなど、素材にこだわり抜いた逸品が早朝6時台から提供されている。夜行バスの到着直後や始発の新幹線で訪れた旅行者の胃袋を、温かく包み込んでくれる懐の深さがここにある。