かつて社会問題となった「漫画村」に続き、巨大海賊版サイト「漫画バンク」が閉鎖に追い込まれた歴史は記憶に新しいところです。運営者の特定と巨額の損害賠償請求という司直の手が入ったことで、表層的な海賊版ウェブサイトは一時的な壊滅を見せました。しかし、悪質なアフィリエイト収益に群がる犯罪グループは、次々とドメインを変更するクローンサイトや、zip・rarといった圧縮アーカイブ形式での密流通へと手口をシフトさせています。
「べるぜバブ zip」や「べるぜバブ rar」と銘打たれたアーカイブの多くは、ファイルを解凍する過程で悪質な実行可能ファイル(.exeや.scr)を展開させるトラップが仕組まれています。一見すると漫画ビューアのように見せかけた偽装ソフトウェアがPCに常駐し、保存されているクレジットカード情報、SNSやネットバンキングのアカウントパスワードを根こそぎ外部サーバーへ送信する被害が多数報告されています。
出版業界とサイバー犯罪対策課が連携を深めるなか、利用者をターゲットにしたフィッシング詐欺も巧妙化しています。「全巻無料閲覧にはVPNソフトの導入が必要」と偽装し、高額な月額課金サブスクリプションを強制的に契約させる悪質な誘導が常態化しています。海賊版代替サイトを探し回る行為そのものが、詐欺組織に個人情報を差し出す極めてリスクの高い自傷行為であると認識しなければなりません。