施工手順における最大の落とし穴は、実は「孔(あな)の掃除」と「穿孔深さの確保」という基本中の基本にある。いくら高価な化学樹脂を使用しても、孔内に粉塵が残っていれば接着界面の強度は半分以下に跳ね落ちる。
失敗を防ぐ最新の標準手順では、「ブロワー粉塵除去→金属ブラシ清掃→再度ブロワー」という3ステップの完全履行が厳格に求められる。集塵機付きハンマードリルによる穿孔が推奨されるのも、切粉の目詰まりによる実質的な穿孔深さ不足を防ぐためだ。規定の穿孔深さに達していない場合、アンカー筋の定着長が不足し、所定の耐力を発揮する前にコンクリート躯体ごと抜け落ちる懸念が生じる。
さらに、樹脂注入時の「気泡抱き込み」も施工不良の典型例だ。ノズルを孔底までしっかり挿入し、樹脂の吐出に合わせるようにゆっくり引き抜く動作が求められる。現場の目視確認だけに頼らず、注入量の体積管理を定量的に記録することが、施工不良をシャットアウトする独占的な実務ノウハウだ。