オリビア『ザナドゥ』酷評とサントラ世界的大ヒットの真相解明

オリビア『ザナドゥ』酷評とサントラ世界的大ヒットの真相解明

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映画『ザナドゥ』を語る上で避けて通れないのが、「映画史に残る怪作」としての評価と「音楽史に残る名盤」としての実績のコントラストです。当時の興行収入データおよび米批評集計サイト(Rotten Tomatoes等)の記録によると、公開当時の映画批評家たちによる評価は壊滅的であり、脚本の唐突さやSFXの粗さが激しく批判されました。

この『ザナドゥ』と、同年に公開されたヴィレッジ・ピープル主演のミュージカル映画『ミュージック・ストップ(Can't Stop the Music)』のあまりの酷さに憤慨した映画広報担当者ジョン・J・B・ウィルソンが、私的なジョークとして始めたのが現在も続く「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」です。第1回ラジー賞において、本作は最低監督賞を受賞する不名誉を被りました。

しかし、レコード店では正反対の熱狂が巻き起こっていました。オリビアの盟友ジョン・ファーラーが手掛けたA面と、ELOのジェフ・リンが手掛けたB面で構成されたオリジナル・サウンドトラックは、全米アルバムチャートで最高4位、全世界で数百万枚のセールスを叩き出し、アメリカレコード協会(RIAA)からダブル・プラチナム(200万枚以上)の認定を受けました。

比較項目映画本編(1980年公開)サウンドトラック(音楽作品)編集部の客観的見解商業的実績製作費約2,000万ドルに対し北米興収約2,300万ドル(興行的苦戦)全米200万枚超、英国をはじめ世界主要国でゴールド/プラチナ認定音楽単体での収益と波及効果が映画本体の赤字・不振を完全にカバーした代表的評価・受賞第1回ラジー賞「最低監督賞」受賞、最低作品賞など計6部門ノミネート全米1位シングル『Magic』輩出、グラミー賞ノミネート映画史上の「最低」と音楽史上の「最高」が同居する極めて稀有な事例後世への影響カルト映画化、2007年にはブロードウェイでコメディミュージカル化80sシンセポップ/ディスコクラシックとして現在も頻繁にカバー・引用映像のキッチュさを含めて「愛すべき80年代の象徴」として再評価が定着
佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。