映画『ザナドゥ』を語る上で避けて通れないのが、「映画史に残る怪作」としての評価と「音楽史に残る名盤」としての実績のコントラストです。当時の興行収入データおよび米批評集計サイト(Rotten Tomatoes等)の記録によると、公開当時の映画批評家たちによる評価は壊滅的であり、脚本の唐突さやSFXの粗さが激しく批判されました。
この『ザナドゥ』と、同年に公開されたヴィレッジ・ピープル主演のミュージカル映画『ミュージック・ストップ(Can't Stop the Music)』のあまりの酷さに憤慨した映画広報担当者ジョン・J・B・ウィルソンが、私的なジョークとして始めたのが現在も続く「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」です。第1回ラジー賞において、本作は最低監督賞を受賞する不名誉を被りました。
しかし、レコード店では正反対の熱狂が巻き起こっていました。オリビアの盟友ジョン・ファーラーが手掛けたA面と、ELOのジェフ・リンが手掛けたB面で構成されたオリジナル・サウンドトラックは、全米アルバムチャートで最高4位、全世界で数百万枚のセールスを叩き出し、アメリカレコード協会(RIAA)からダブル・プラチナム(200万枚以上)の認定を受けました。