エイの肉質は、一般的な白身魚や赤身魚とは根本的に異なる生物学的特徴を持っています。軟骨魚類に属するエイは全身が柔らかい軟骨で構成されており、筋肉組織の間には網目状に豊富なコラーゲン線維が張り巡らされています。生のエイを乾燥させる過程で遊離アミノ酸(グルタミン酸やグリシン、アルギニンなど)の濃度が劇的に上昇し、加熱時にメイラード反応を起こすことで、あの独特の香ばしさと奥深いコクが生まれます。
健康面や美容面におけるエイの干物に含まれる栄養とコラーゲンの豊富さも、長年珍味として重宝されてきた理由の一つです。文部科学省の『日本食品標準成分表』などの分析データを参照すると、エイヒレなどの乾燥珍味は可食部100gあたりのタンパク質割合が非常に高く、脂質が極めて低い高タンパク・低脂質な食材であることが分かります。
気になるエイの干物のカロリーは、調味加工された市販のエイヒレ(みりん干しタイプ)の場合で100gあたりおよそ300〜320kcal前後です。糖類やアミノ酸調味料を使用していない素干しタイプであれば、約260〜280kcalまで抑えられます。一度に食べる適量(20〜30g程度)に換算すると約60〜90kcalと控えめであり、咀嚼回数が増えるため満腹中枢を刺激しやすい点も、晩酌のおつまみとして優れた利点です。