本作の最大の引力は、警視庁捜査一課(本庁)と所轄署(芝署・豊洲署)の間に横たわる絶対的なヒエラルキーと、そこに渦巻く強烈な人間模様にあります。単なる善悪の二項対立ではなく、それぞれの立場や信念が複雑に交錯する構図が、物語に圧倒的なリアリティを与えています。
中心人物となる香坂真一郎(長谷川博己)は、警視庁捜査一課の若手エースとして将来を嘱望されながらも、ある捜査ミスを契機に所轄へと左遷される実直な刑事です。その香坂の元部下でありながら、本庁で冷徹に出世を狙う山田春彦(岡田将生)との愛憎入り混じるライバル関係は、物語全編を牽引する大きな軸となりました。
そして、香坂の前に巨大な壁として君臨するのが、警視庁捜査第一課長の小野田義信(香川照之)です。叩き上げとして頂点に登り詰めた小野田は、組織を守るためならば冷酷非情な決断も厭わない怪物として描かれます。さらに、所轄で香坂を支える熱血漢・渡部久志(安田顕)や、人事課から事件の真相を追う三島祐里(芳根京子)など、個性豊かなキャスト陣が脇を固め、重厚な群像劇を完成させています。