初めてコキンチョウの雛を見る愛鳥家が息をのむのが、くちばしの両脇に配置された発光体のような球体です。左右にそれぞれ2個ずつ、計4個並ぶこの粒は、青紫色やオパールのような強い光沢を放ちます。
これは自ら光を発する生物発光ではなく、構造色による光の反射組織(口角結節)です。原産地であるオーストラリア北部の乾燥地帯において、コキンチョウはユーカリの深い樹洞など、外光が届きにくい真っ暗な環境に巣を作ります。親鳥が巣に戻った際、わずかな外光や親の影の中でも雛がどこに口を開けているかを一目で識別できるよう、反射板として進化を遂げました。
さらに口蓋(口の中の天井部分)には独特の黒い斑点模様(マーキング)が刻まれており、親鳥はこの幾何学模様と光る結節を視覚的トリガーとして給餌行動を起こします。この「ダイヤ」は生後3週間から1カ月ほど経ち、自力で採餌できるようになる巣立ちの時期を迎えると、ホルモンバランスの変化とともに自然に退縮・消失していきます。