2004年に発表された『ハナミズキ』は、今や日本の音楽史に燦然と輝くスタンダードナンバーとなった。この楽曲が生まれた背景には、2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件がある。当時、ニューヨークにいた友人からのメールを受け取った彼女は、強いショックと平和への切なる祈りを一冊のノートに書き綴った。
「君と好きな人が100年続きますように」という象徴的なフレーズは、憎しみの連鎖に対する静かな抗議であり、愛する人の幸せを願う究極の願いでもあった。幼い頃に父と母を相次いで亡くし、生と死、そして国境や対立の悲しみを肌で知っていた彼女だからこそ書けた言葉である。親から子へ、世代を超えて歌い継がれるこの曲は、聴く人の心に深い癒やしを与え続けている。