タブロイド紙とは?サイズの違いやゴシップ紙と呼ばれる真相を徹底解剖

タブロイド紙とは?サイズの違いやゴシップ紙と呼ばれる真相を徹底解剖

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サイズ規格を指す言葉だった「タブロイド」が、なぜ煽情的な報道スタイルそのものを意味するようになったのでしょうか。その源流は、19世紀末から20世紀初頭にかけてのイギリスとアメリカにおけるメディアの覇権争いにあります。

1900年代初頭の英国で、アルフレッド・ハームズワース(後のノースクリフ子爵)は、急速に拡大するロンドンの地下鉄通勤者に着目しました。揺れる客車内で巨大なブランケット判を広げるのは困難を極めます。そこでハームズワースは、判型を半分にした『デイリー・ミラー(Daily Mirror)』を創刊。文字数を削り、巨大な写真と平易な英文、そして労働者階級が好む犯罪ルポや王室の噂話を前面に押し出しました。この戦略が爆発的な支持を獲得します。

時を同じくしてアメリカでは、ジョセフ・ピュリッツァーの『ニューヨーク・ワールド』と、ウィリアム・ランドルフ・ハーストの『ニューヨーク・ジャーナル』が苛烈な部数競争を展開していました。人気漫画『イエロー・キッド』の争奪戦を発端としたこの戦いは、犯罪の誇大報道、真偽不明の怪奇事件、愛憎劇を過激に煽る泥仕合となり、後に「イエロー・ジャーナリズムの歴史」として語り継がれる悪名高い潮流を生み出します。

1920年代以降、アメリカでも『ニューヨーク・デイリーニューズ』をはじめとするタブロイド判の新聞が次々と創刊され、ハースト流の扇情報道とコンパクトな紙面が融合しました。写真技術の発展とともに「残虐な殺人現場の写真」や「セレブリティの不倫現場」を巨大な見出しとともに一面に配置する手法が定着。イギリスの有名タブロイド紙である『ザ・サン(The Sun)』や『デイリー・ミラー』が王室スキャンダルやサッカー選手の私生活を暴き立てる文化を確立させた結果、「タブロイド判を採用している新聞=読者の好奇心を刺激するゴシップ紙」という等式が世界的な共通認識として固定化されたのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。