物語の根底を揺るがし続けた最大の謎が、かつて世間を震撼させた「ハーブティー無差別毒殺事件」の犯人として30年の服役を終えた乃十阿徹(小林薫)と、ケイトの血縁関係でした。ケイトの母・杏子(秋吉久美子)が今際の際に遺した「父親はキアヌ・リーブス」という言葉の裏に隠されていたのは、かつて社会を激震させた凶悪殺人犯が実父であるという絶望的な事実でした。
週刊イーストのエース記者として他人のスキャンダルを暴いてきたケイトが、自らのDNA鑑定によって乃十阿徹の娘であると突き止められた瞬間、加害者家族という重荷を背負わされることになります。しかし、尾高が過去に乃十阿の出所時の撮影現場で抱いた違和感をきっかけに再調査を進めた結果、事件の背後に驚愕の真実が浮上しました。
真相は、乃十阿が殺人を犯したのではなく、「自分の幼い息子が誤って農薬(除草剤)を混入させてしまった事故」を庇い、自ら身代わりとなって罪を被っていたというものでした。乃十阿は愛する家族と幼い息子の未来を守るために、無実でありながら30年もの獄中生活を甘受していたのです。真実を暴くことが正義とされる報道の世界において、「真実を知ることで誰も幸せにならないケースがある」という本作の根源的な問いが浮き彫りとなった瞬間でした。