ピースの歩みは、決して平坦なものばかりではありませんでした。10歳を迎えた2009年頃から「てんかん様発作(けいれん発作)」を発症。突然意識を失い、全身を激しく震わせる発作は、飼育チームや全国のファンに大きな衝撃を与えました。
水深のあるプールで発作が起きれば、重度の溺水事故につながりかねません。とべ動物園ではこの危機に対し、即座に以下の抜本的な医療・飼育オペレーションを確立しました。
- 投薬治療の徹底:好物の食べ物に抗てんかん薬を混ぜ、毎日の規則正しい投薬を15年以上継続。
- 展示プールの水位調整:万が一発作が起きても足がつくよう水深を制限し、スロープを増設。
- 24時間体制の監視カメラ:寝室および放飼場に高精度カメラを配置し、発作の兆候や異常行動を即座に検知。
- 高齢化に伴う段差軽減:加齢による関節への負担を減らすため、獣舎内の段差に緩やかな傾斜を設置。
報道関係者の取材資料や飼育日誌によると、現在では発作の頻度は大きく抑えられており、発作が起きた際にも迅速な救急対応ができる体制が整っています。老齢期を迎えた現在、獣医チームはてんかんだけでなく腎機能や肝機能の数値チェック、歯の摩耗状態など、シニア特有の総合医療ケアへとシフトしています。