結論から言えば、エアコンポコポコ音の原因はエアコン内部の機械的故障ではありません。犯人は、住環境の進化によって密閉度が高まった気密住宅と換気扇の気圧差にあります。
現代のマンションや高断熱・高気密住宅は、外気の侵入を防ぐ極めて密閉性の高い構造を誇ります。この環境下でキッチンのレンジフード(換気扇)や浴室乾燥機を作動させると、室内の空気が毎時400〜600立方メートルという猛烈な勢いで屋外へ強制排気されます。その結果、室内が屋外よりも気圧の低い「負圧(減圧)状態」に陥るのです。
壁面の給気口(通気口)が閉じられていたり吸気量が不足していたりすると、気圧差を埋めようとする外気が、屋外と室内をダイレクトに結ぶわずか内径14〜16ミリメートルの「ドレンホース(排水管)」から激しく逆流します。この逆流した外気が、エアコン内部の結露水受け皿(ドレンパン)に溜まった水の間を泡立てながら通過する際、ストローでコップの底をブクブク吹いたときと同じ原理で「ポコポコ」「ボコボコ」という破裂音を反響させるのです。
「窓を数ミリ開けると一瞬で音が止まる」という現象が起きるなら、原因がこの気圧差である証拠です。そして、窓を開け放つことなくこの空気の逆流経路を物理的に遮断する器具こそが、エアーカットバルブ(エアコン逆止弁)なのです。