1990年代から信濃路を支え続ける383系電車(ワイドビューしなの)。その最大の魅力は、なんといっても運転室越しに広がる広大な前面展望と、床面を一段高くして眺望を確保した大型窓にある。パノラマグリーン車から眺める木曽路の山河は、多くの旅人の記憶に刻まれてきた。
運行を担う東海旅客鉄道株式会社(JR東海)と東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の境界を跨ぎ、名古屋から塩尻を経て長野へと至るロングラン。カーブの連続する険しい地形を軽快にいなす走行性能は、日本の車両工学が生んだ傑作と呼ぶにふさわしい。新型385系への世代交代が進む今だからこそ、長年親しまれた383系の端正なフォルムと重厚なモーター音をじっくり味わっておきたいところだ。