伊藤潤二『うずまき』呪いの真相と結末!アニメ評判と黒渦町の狂気を解剖

伊藤潤二『うずまき』呪いの真相と結末!アニメ評判と黒渦町の狂気を解剖

伊藤潤二『うずまき』呪いの真相と結末!アニメ評判と黒渦町の狂気を解剖にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

『うずまき』という作品が他のあらゆるホラーと一線を画している最大の要因は、「呪いの主が存在しない」という理不尽極まる構造にあります。一般的な怪談であれば、過去に惨殺された人物の怨念や、祠を壊したことによる祟りといった「因果関係」が存在します。しかし、ヒロイン・五島桐絵が暮らす黒渦町を襲った怪異には、誰かの怨嗟や復讐心といった人間的な感情が一切介在していません。

物語の端緒を開いたのは、桐絵の同級生であり恋人である斎藤秀一の父親が、壁の染みや鳴門巻き、味噌汁の渦、果ては自らの眼球を別々に回転させるまでに至った「うずまきへの偏執病」でした。秀一の父は自らの肉体を極限まで丸めて桶の中で変死し、その火葬の煙は町の上空で不吉な渦を巻いて蜻蛉池(とんぼいけ)へと沈んでいきます。この事件を皮切りに、町は音を立てて崩壊へと向かいました。

作中の描写および伊藤潤二自身がインタビューで明かしてきた創作の背景を紐解くと、「黒渦町そのものが、巨大な螺旋の呪縛の上に構築された使い捨ての舞台である」という構造が見えてきます。池の底深くに沈んでいた古代遺跡が目覚める周期が巡ってきた時、町全体が「うずまき」という概念そのものに感染し、物理法則すらも捻じ曲げられていくのです。人間が抗うことのできない巨大な天災、あるいは宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)の具現化こそが、黒渦町を呑み込んだ怪異の正体といえます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。