1990年代後半までのアダルトビデオ市場は、レンタルビデオ店でのVHS(テープ)貸出が主流でした。しかし2000年代に入ると、再生機器の低価格化とともにセルDVDの普及が一気に加速。従来の「借りて返す」スタイルから「手元にコレクションする」購買行動へのシフトが起きたことが、業界全体の構造を激変させました。
DVDメディアの登場は、画質の飛躍的な向上だけでなく、チャプター選択やマルチアングル、特典映像の収録といったインタラクティブな付加価値を可能にしました。さらに、2000年代半ばにはネット配信黎明期としてDMM(現FANZA)などのプラットフォームが台頭し、通信回線のブロードバンド化に伴ってコンテンツ消費のスピードが劇的に加速していきます。
大量生産・大量消費の波に乗り、ワンコイン(500円〜1000円程度)の廉価版DVDがディスカウントストアやコンビニに並ぶ一方で、高品位なパッケージングを施した高価格帯プレミアム作品も成立するという、多様なビジネスモデルが確立された時代でした。